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信じられないような話ですが、Microsoftが2015年に発表した調査によると、人間の平均的な注意持続時間は2000年の12秒から2013年には8秒にまで短縮しているそうです。毎日膨大な量の情報を処理するために、その消費方法が変わってきているというのは紛れもない事実です。Facebook IQによれば、種類を問わず、1コンテンツ当たりの平均閲覧時間はモバイル端末では1.7秒、デスクトップでは2.5秒程度の短さだと言います。まさに一瞬です。この僅か数秒の間に人々の関心を惹き付け、その関心を持続させながら効果的な情報提供を行うためにはどうすればよいのでしょうか。

マイクロラーニングとは、情報を一度に消化できる量に分割して提供する方法で、我々が直面している問題とも相性の良いアプローチのひとつです。長すぎる講義や大量のスライドを避けて、短さと簡潔さにこだわったアプローチで、長くとも1セッションを5分以内に収めることが理想的とされています。また、各セッションの学習目標は単一に絞ることが推奨されており、そうすることで特定のトピックにのみ注力した情報提供が可能になります。

マイクロラーニングについてより詳しく知りたい方は、マイクロラーニングがもたらす5つのメリットと現代社会での活用方法について、以下の記事をご参照ください。

記憶に残りやすい簡潔なコンテンツ

先に述べた通り、マイクロラーニングセッションで提供する情報を、簡潔かつ一つの学習目標に絞った内容にすることで、学習者が重要ポイントを記憶しやすくなります。たとえば、マニュアル車の運転方法を教える一時間の講義と、マニュアル車のエンジンのかけ方をステップごとに示した3分間の説明とでは、どちらがより多くの情報を覚えていられるでしょうか。集中力についても、長いセッションよりも短時間のマイクロラーニングを受けている時の方が高い傾向にあり、より多くの情報が記憶に残りやすい環境にあると言えます。

フレキシブルでストレスフリーな学習環境

リモートワークや柔軟な働き方が選べるようになった現代において、学びや能力開発の場でもフレキシビリティを求めるのはごく自然な流れです。マイクロラーニングコンテンツを事前に作成しておくことで、学習者が時間や場所を選ばず、自身のペースで情報にアクセスし、必要なスキルを習得できるようになります。長過ぎるeラーニングコースやトレーニングセッションは、忙しい日々の中で時間を見つけなければならない学習者にとっては、ハードで退屈なものになりがちです。一方でマイクロラーニングでは提供する情報を小分けにし、一つ一つのセッションも短時間であるため、学習者は隙間時間を使って積極的にスキル習得を目指せるようになります。

コンテンツの作成と管理の容易さ

長過ぎる学習計画から、5分間のハウツーガイドへ。トレーナーや管理者の観点からすると、短時間で一つのトピックに焦点を当てたマイクロラーニングセッションは、コンテンツの作成や管理が簡単という利点があります。また、特定の学習段階や学習者のニーズに沿ったコンテンツの作成が可能であるため、学習速度の向上にも役立ちます。テクノロジーの発展とともに目まぐるしく変化し続ける現代社会において、企業目標や戦略も急速な改革が求められています。そうした変化に対応するうえで、マイクロラーニングは従業員教育としても最適なアプローチと言えます。

必要な時に必要な情報を

上記に関連して、マイクロラーニングではコンテンツの作成が容易であるため、学習者がその時々に最も必要とする情報をオンタイムで提供することが可能になります。例を挙げると、新入社員のオンボーディングプロセスの一環として、会社のメールアカウントの設定方法を説明するセッションを入社初日に配信することも可能ですし、店舗スタッフに対して、翌日に発売を控えた新しい商品ラインの展示方法を共有するという使い方もできます。短時間で焦点を絞ったコンテンツを提供できるマイクロラーニングは、トレーナーにとっては手間いらずで、学習者にとっては効率の良い学習環境を提供できます。

学んだ知識をすぐに活用

一般的に知識の定着率は、デールの経験の円錐によると、読むだけでは10%、聞くだけでは20%程度と言われており、読むことと聞くことが合わさると50%、実際に体験することで90%にまで高められるということをご存知でしたか?学んだことを実際に活用することが知識の定着において非常に重要であるということは言うまでもありません。マイクロラーニングでは、数分間のセッションで、すぐに活用できるスキルの提供を目指します。これによって、受け身がちだった学習者が積極的に学びを享受できるようになり、吸収できる知識量も増えていきます。また、各セッションの学習目標やコンセプトが単一であるため、学習者自身が習得したいスキルや必要なコンテンツを選べるというのも大きな利点です。

ここに挙げた例はほんの一部にしか過ぎませんが、マイクロラーニングがもたらす大きなメリットについて簡単に紹介させていただきました。重要な情報を小分けにすることで、丁寧かつ効果的な学習環境を作り出すマイクロラーニングというアプローチは、目まぐるしく移り変わる現代社会における効率的な学習方法だということをご理解いただけたかと思います。